臨床推論

臨床推論とは，患者の健康問題を明らかにするために医療者が患者から情報を引き出しつつ考えるプロセスである．通常，患者の基本情報（年齢や性別など），医療面接時の病歴聴取内容，身体診察所見，各種検査所見などの情報が総合的に判断されていくが，特に臨床推論の初期においては医療者が考えている診断群などによって引き出すべき情報が違ってくるため，初期の方向付けが重要であるとされる．

臨床推論は，診断をある程度まで絞り込むプロセスである臨床問題解決（clinical problem solving）と，更なる検査，治療・マネジメントを選択するために診断を決定する臨床決断（clinical decision making）の2つのステップに分けることができる．例えば，主訴から鑑別診断を想起する部分は臨床問題解決，鑑別診断の検査前確率に新たな情報を付け加えて検査後確率を推測する部分は臨床決断である．